| アロマテラピー隠れ塾 7 |
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嗅覚のしくみ 2006.5.30 ホメオスタシス(以下ホメオ) まず、嗅覚のしくみを大まかに説明しましょう。 精油の香りの成分は、揮発性の微粒子。分子量300以下の低分子がほとんどです。油に溶けますが、水にはなじみません。 小さい小さいといっても分子がいかに小さいものなのかを知っておいた方がいいですね。一滴の精油には、なんと、約40,000,000,000,000,000,000,000個(四千垓 (がい)個)の分子が含まれているんですよ。 香り成分が、鼻の奥にある粘膜に溶けると、嗅細胞を刺激し、香りの情報が電気信号に変えられて、脳の中へと伝わっていきます。 アブソリュート(以下リュート) 体の中を電気が流れるんですか。 ホメオ そう。 そこはキーポイントです。 神経回路の情報伝達は電気信号であるということを覚えておいてください。流れる電気は、電子ではなくて、イオンです。 ただし、神経細胞と神経細胞の間には、わずかな隙間があり、その間は神経伝達物質による科学信号に変換されます。 ホメオ それでは、詳しく見ていきましょう。 お配りした図を見てください。(よくできた図があれば、分かりやすいのですが、用意することができなくて、ごめんなさい) 鼻の奥の天井には、約5cm平方メートルの嗅上皮があります。その中には、500万個ほどの嗅細胞があり、その先端から伸びた各5〜10本の嗅繊毛が、嗅上皮を覆う粘膜の中をゆらゆらしています。そして嗅繊毛には受容体があり香り成分と結合します。 リュート ジュヨウタイって何ですか。 ホメオ 受容体は、たんぱく質で、何らかの物質を受け取ると、情報として細胞に伝えるセンサーです。カギ穴のような構造で、1,000種近くあり、、一つの嗅細胞は一種類の受容体を配備しています。カギ穴に合うカギ(香り成分)だけを受け取るわけですが、香り成分は40〜50万個ありますから、全然足りませんね。そこでピッタリでなくてもよく似たカギであれば受け取るようになっています。 ホメオ さて、受容体が香り成分を受け取ると、Gたんぱく質を介して、アデニル酸シクラーゼという酵素が働き、ATP(高エネルギー物質)をcAMP(サイクリックAMP)に変換します。 細胞内で新たに生成される伝達物質をセカンドメッセンジャーと呼びますが、セカンドメッセンジャーであるcAMPは嗅繊毛にあるイオンチャネル(特定のイオンを選択的に通すたんぱく質の穴)を開き、細胞外のNa+ や Ca2+ が細胞内に流れ込み電位の変化が起こります。 この電位の変化を活動電位(神経インパルス)といいます。 全員 ・・・・・・。 ホメオ 要するに、細胞の中の、いろんなタンパク質や酵素が連鎖的に働いて、受容体が受け取った情報を電気信号へと変換していくわけですね。中には、まだ、発見されていないものもあるかもしれませんよ。 レッド 鼻水って塩辛いし、Na+ っていうのは分かります。 ホメオ 細胞の外は、海水を薄めた組成になっているんですね。 話を先に進めましょう。 1つの精油の香り成分ですと、数十種から数百種の受容体を興奮させ、電気信号となった情報は、嗅神経を伝わり、すぐ上にある嗅覚の第一次中枢である嗅球の嗅糸球へ送られ、情報整理されます。 それからどこへ向かうのか。ここが他の感覚器と異なるところですよ。 視床下部に向かわずに、大脳の内部にある大脳辺縁系というところに向かいます。大脳辺縁系は、古い脳と呼ばれ、人間に進化する前の脳と言ってもいいでしょうか、本能や感情を司る領域です。 そして、大脳辺縁系の前梨状皮質(ぜんりじょうひしつ)、扁桃体(へんとうたい)に伝えられます。 扁桃体は、様々な感情の動き、情動を生み出す部分です。 扁桃体が刺激されると、海馬により記憶が促進されます。 そもそも、これは、危険な目にあって恐ろしい思いをした場合、その状況を覚えておくためなのですが、人にとっては、遠い記憶、思い出となったりするのですね。 みなさんには、ある香りをかいだとき、感情をかき立てるような記憶が呼び覚まされたという経験はありませんか。 情動は視床下部にも伝えられます。 視床下部は、自律神経系、内分泌系、免疫系を調整している中枢で、生理反応を起こします。 香りの情報は、このように大脳辺縁系から視床下部、そして、大脳皮質、嗅覚野などに伝わっていって香りとして認識されます。 例えば、バラの香りがしてくると、まず、いい香りだなと感じて、生理反応を起こします。それから、これはバラの香りだと認識しているのです。 嗅覚の研究は、近年、大きく進歩したとは言え、まだまだ未知の領域です。 脳でどのように情報処理がなされているのか、わかっていないことが多いのですが、だからこそ、おもしろい分野であるとも言えましょう。 アブソリュートくんが、ジャスミンに囁きました。 いつになく丁寧ですね。 ジャスミン でしょう。 (参考) 「記憶力を強くする」 池谷裕二(著) 講談社 理研ニュース 2000年2月号 「においを感じるメカニズムを探る」 www.riken.go.jp 8 アロマ殺人事件 >> [ きゃんどるカンケイ / アロマテラピー隠れ塾 / ページ先頭へ ] |