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とらえたい(2) ‐香りのすべてを‐  2007.4.25
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ホメオスタシス(以下ホメオ) さて、熱変性のある植物、水溶性の物質を多く含む植物は、なるべく低温で水を使わないで採取する必要があります。

まずは、油脂吸着法についてお話ししましょう。
この方法は、時間とコストがかかり、現在では商業用に使われることはないのですが、歴史的に重要な位置を占めています。
油脂吸着法は、香水の町として知られる南仏のグラースで始められた方法で、水蒸気蒸留法よりも高品質の精油を得ることができます。
シャーシーと呼ばれる木枠付きのガラス板に、精製した無臭の油脂類を塗り、その上に積みたての花々をのせます。木枠を何段も重ね、花の種類によって、1日〜3日間置いて香りを吸収させます。これを飽和状態になるまで繰り返すのですが、飽和状態になった花の香りいっぱいの油脂のことをポマードと呼びます。
整髪料のポマードもここから来ているんですよ。
これに無水アルコールを加えて分離し、アルコールを蒸発させて精油を採りだします。
室温で採取する方法を、アンフルラージュ法(冷浸法)
60〜70℃で採取する方法をマセレーション法(温浸法)
といいます。
なかでもチュベローズ(月下香)の花は、熱を加えると精油を抱いたまま命絶えてしまうようなデリケートな花ですから、油脂吸収法のアンフルラージュ法(冷浸法)でないと高品質のものは得られないのだそうです。

ネロリ 聞くからに美しい方法ですわ。花の香りまでしてきそう。

パチュリ 南仏のグラースで始められた方法というのが効いているんだな。

ホメオ ミモザ、バイオレット、バラ、ジャスミン、グラースは花々でいっぱいの美しい町です。調香師たちの大半がこの地で育ちます。
世の成り行きで、花を作る農家はだんだん少なくなってきてはいますが。

では次に、揮発性溶剤抽出法についてです。これによれば、大量の精油を採取することができます。
第一段階、石油エーテル、ベンゼン、ヘキサンなどの溶剤を植物にしみ込ませて芳香性の混合物を引き出します。
第二段階、混合物から溶剤を留出させると植物ワックス含んだ物質が残ります。これをコンクリートと呼びます。
最終段階、コンクリートに無水アルコールを加え、冷却して不溶分を取り除いたあとアルコールを除去します。
この最終段階の精油をアブソリュートと呼びます。

植物ワックスの方は、花の香りのするワックス、フラワーワックスとして、キャンドル、石鹸、化粧品に利用されるそうですよ。表通りのキャンドル専門店で聞きました。
そうそう、定評のあるフレグランスキャンドルもグラースで作られているそうです。

揮発性溶剤抽出法では、どうしても溶剤が残ってしまいますので、スキンケアには向かず、バラなどは水蒸気蒸留もされますが、やはり香りはアブソリュートの方が花そのものの香りに近いです。
揮発性溶剤抽出法は花以外にも使われますよ。
植物には精油を含んだ樹脂状の物質があり、精油含量が多く室温で液状のものをオレオレジンといいます。オレオレジンは花以外の植物体から揮発性溶剤抽出法で採り出すことができレジノイドとも呼ばれています。

最後は、超臨界流体抽出法についてです。早口言葉みたいですね。
物質にはそれぞれ臨界点というものがあって、一定の温度、一定の圧力を超えると、液体のような溶解力と気体のような拡散性をもった液体とも気体ともつかない状態になります。これを流体と呼びます。臨界温度(31.1℃)の比較的低い二酸化炭素を流体にして溶媒に使い、精油を抽出した後、二酸化炭素を気体の状態に戻すと、後には何も残りません。
ヘッドスペースという揮発性の非常に高い部分の香りや、溶剤で変化してしまう香りを採り出すことができ、新鮮な花そのものの香りに近いものが得られます
ただ、大掛かりな設備が必要でコストがかかるため、一部製品にはなっていますが、普及はされていません。

参考) 「AAJ会報 No.21」 日本アロマテラピー協会

13 精油が体内に取り込まれるルート(1) >>
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